核医学

循環器系

 

負荷心筋血流シンチ

  • 検査準備

負荷心筋血流シンチでは午前と午後の1日2回静脈注射します。
検査当日の朝食は禁食。

水のみ摂取可。
午後の注射までは昼食も禁食ですが、午後の注射後は食事可。
心電図を取得するためのシールを胸に貼って検査します。
大きな金属は外します。
女性の下着(ブラジャー)は外して頂きます。
その他、当日担当者の指示に従ってください。

 

  • 放射性医薬品

99mTc-TF    静脈注射

 

  • 検査の原理

99mTc-TFは脂溶性の化合物で、受動拡散によって心筋細胞に取り込まれ、ミトコンドリア電位によって集積します。薬剤の集積が静注時の心筋血流に依存するため、安静時及び薬剤を使用した負荷検査により冠血流予備能の異常を局所的に、非侵襲的に評価することができます。

 

  • 検査方法

当院では、午前中に薬剤負荷検査、午後に安静検査を行います。それぞれの検査前に静脈注射を行います。午前・午後ともに注射後約60〜90分後に検査を行います。検査時間は30〜40分程度です。検査では前面像と心電図同期SPECT像を撮像します。
検査中は鮮明な画像を得るために手を挙げたままで行いますが、長時間手を挙げた姿勢がつらい方は遠慮なく検査担当者にお申し出ください。

 


検査の様子

 

  • データ評価・解析

近年、心電図同期SPECTではコンピュータを利用して、検査した心筋血流SPECT画像を心電図を基に分割し、心内膜・外膜面を自動輪郭抽出することにより、血流情報だけでなく左室内腔容積や駆出率、壁運動などの情報を得ることができるようになりました。当院ではQGSという解析ソフトを使用して、これらの機能情報を提供しています。

 

  • 臨床的意義

心筋梗塞: 梗塞部位は安静・負荷時ともに欠損として描出されます。
狭心症: 梗塞に陥っていない虚血部位の判定には安静・負荷時の比較が必要です。
心筋バイアビリティ評価、心筋症、右室負荷 の診断にも使用されます。

 

  • ワンポイント

安静時のみの心筋血流を評価する場合もあります。この場合の検査時間は30分程度です。
当院ではこの他に201TlClを使用した心筋血流シンチも実施しています。

 

  • 画像例

 

正常像の前面像とSPECT像(負荷時と安静時)

 

 

心尖部梗塞及び後壁虚血例。QGSによる心機能評価(安静時) 

 

 


心尖部梗塞及び後壁虚血例。前面像とSPECT像(負荷時と安静時) 

 

心筋交感神経機能シンチ

  • 検査準備

検査当日の朝食・昼食は禁食。
カフェイン・タバコ禁。 水のみ摂取可。
大きな金属は外します。
女性の下着(ブラジャー)は外して頂きます。
その他、当日担当者の指示に従ってください。

 

  • 放射性医薬品

123I- MIBG  静脈注射

 

  • 検査の原理

心臓は交感神経の支配を強く受けています。123I- MIBGの分子構造はノルエピネフリンと似ているため、ノルエピネフリンと同様に交感神経末端に取り込まれます。
正常心筋では多くの交感神経終末が存在するため123I- MIBGの高い集積がありますが、障害心筋の交感神経機能の脱落した除神経領域ではMIBGは集積しません。このことを利用して心筋局所における交感神経機能を知ることができます。

 

  • 検査方法

静脈注射後20分後に早期像、3時間後に後期像を撮像します。前期・後期ともに、前面像とSPECT像を撮像します。

 

  • 臨床的意義

心筋血流シンチと異なり、除神経領域を検出できることが特徴です。
以下のような疾患の診断に使用されます。
パーキンソン病症状の原因疾患の鑑別。
自律神経機能障害の合併の有無。
虚血性心疾患、心筋梗塞における除神経領域の検出。
心筋症の病態診断、重症度の判定。

 

  • ワンポイント

123I- MIBGの検査で特に気を付けて頂きたいのが、お飲物です。検査当日は検査終了まで、コーヒーやお茶に含まれるカフェインを摂取しないようにお気を付けください。

 

  • 画像例


正常像の前面像(早期像と後期像) 

 


パーキンソン病の前面像(早期像と後期像)

 

心筋脂肪酸代謝シンチ

  • 検査準備

検査10〜12時間前より検査後まで、禁食・禁糖(飲水は可)。前日の夕飯以降は絶食。
大きな金属は外します。
女性の下着(ブラジャー)は外して頂きます。
その他、当日担当者の指示に従ってください。

 

  • 放射性医薬品

123I- BMIPP   静脈注射

 

  • 検査の原理

空腹時の心筋はエネルギー源の70〜80%を脂肪酸のβ酸化に依存しています。脂肪酸代謝のエネルギー産生能はブドウ糖代謝の約6倍と非常に効率がよい反面、酸素を必要とするため虚血や低酸素状態では速やかに障害されます。虚血に陥った心筋はエネルギー代謝を脂肪酸代謝から嫌気性糖代謝にスイッチし、最終的には糖代謝も障害されて壊死に陥ります。脂肪酸代謝は虚血心筋の初期変化を捉えるうえで重要です。

 

  • 検査方法

静脈注射後30分後に前面像とSPECT像を撮像します。

 

  • 臨床的意義

心筋障害を脂肪酸代謝からみることができ、安静時の画像のみで、虚血性心疾患の評価が可能です。梗塞部や虚血部では欠損となることが多く、脂肪酸代謝が障害されている状態を反映していると考えられています。
心筋症の早期診断、重症度の判定。心不全の原因診断 等にも使用されます。

 

  • 画像例


正常像の前面像とSPECT像 

 


虚血性心不全及び3枝領域代謝障害例。前面像とSPECT像

 

 


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